マーフィーの成功哲学

2015.11.22.Sun.22:58
若いころ、寝る前によくジョセフ・マーフィーの本を読んでいた。科学的な根拠は無いが、寝る前に読めば潜在意識に染み込みやすいと考えたからである。

初めて読んだマーフィー本は「マーフィーの超感覚力で成功する」(産能大学出版部 1990)という本なのだが、正直言って最初は荒唐無稽な話のオンパレード本だと思った。

マーフィーの成功法則とは平たく言うと「心の底(潜在意識レベル)から念じたらそれは実現する」という考えである。念ずるだけで思いが実現するのなら、こんな楽なことは無い。最初はバカみたいな考えだと思った。

同書のP179の、再婚を希望する未亡人(72歳)が、自分の結婚式を想像し、自分の指に結婚指輪がはめられているところを何度も何度も想像していたら、引退した医師と知り合い結婚できたという話を読んだときは、このヒト(マーフィ-)にはついていけないと思ったものです。

しかし、私はだんだんマーフィー本の読み方がわかってきた。
「心の底(潜在意識レベル)から念じたらそれは実現する」という考えは、成功の確率を高める考えである。

潜在意識レベルで心の底から成功を期待している人は、チャンスを逃さない。潜在意識レベルで自分はダメ人間だと思っている人は、自分の幸運に気が付かない。
逆に、心の底から成功を期待している人は、いつまでもチャンスを待てる。心の底では自分はダメ人間だと思っている人は、詐欺的なものに引っかかる。

マーフィー本ではよくお金の話が出てくるが、これは昔の人にとってお金の問題は現代人よりもずっと切実な問題だったからです。

マーフィーの全著作を通じて、聖書やフィニアス・クインビー、ラルフ・ワルド・エマーソンの言葉の引用が多い。ただ、聖書からの引用には違和感を覚えることもある。こじつけっぽいのである。

十字架上のイエスの最後の言葉は「エリ、エリ、レマ、サバクタニ(わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか)」(マタイによる福音書)だが、マーフィーによるとサバクタニとはヘブル語で栄光を表すという意味で、見捨てる場合にはアザプタニという語が使われるはずであり、したがってエリ、エリ、レマ、サバクタニの本当の意味は「わが神、わが神、なんとあなたは私に栄光を表されたことか」なのだという仰天の聖書解釈をしている(「幸福はあなたの手で」産業能率大学出版部 1979、P156参照)。


マーフィーの成功哲学は日本の石門心学に似ているところがある。心学では特定の宗教にこだわらず、自分の心を磨く目的で、神道、仏教、儒教の言葉を使う。石田梅岩自身も「心は形となって現れる。何かの形はそのものの心を表している」などどマーフィーっぽいことも言っている。

マーフィー本は聖書の言葉を使っているだけで、キリスト教はあまり関係がない。そう考えるとマーフィー本はだいぶ読みやすくなるはずである。
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