暗黒江戸時代史観を払拭する多数の庶民の旅日記の存在

2015.03.20.Fri.22:54
旅日記といえば紀貫之や林羅山や井上通女など当時の知識人が書いたものが有名だが、江戸時代、特に後半には庶民が書いた旅日記が多い。どのくらい現存しているのか不明だが、例えば「弥次さん喜多さん旅をする」(大田区立郷土博物館、1997年)には100点の旅日記が紹介されている。

地方から江戸に旅に来た人達の旅日記の内容は「江戸見物と東京観光」(山本光正著、臨川選書2005)によると、

・大名行列が、見物の対象になっている。
・旅日記に当時最大の娯楽であった芝居の見物の記述がよく見られる。
・江戸に来た人のほとんどが最大の歓楽街である吉原を見物している。
・江戸に来て自分達の領主の屋敷の中に入った人もいる。

江戸見物には、有料の案内人(ガイド)が付いているのが普通だったようである。また農民は農閑期に旅をしていたようだ。

江戸時代は左翼の階級闘争史観がすっぽりと当てはめられて、暗黒時代として語られている。ブルジョア階級がプロレタリア階級を搾取するように、武士は農民や町民から搾取する。そういうことになっている。

人間生きている限り何らかの階級に属してしまうので、階級闘争史観に染まると、争いが終わらない。人間生きている間は絶対平等にはならない。死んだらようやく死人同士平等になる。みんなに争わせて革命の指導者たちはノーメンクラトゥーラのように王侯貴族の生活をする。

江戸時代は、もちろん現代から見れば不自由な点も多かっただろうが、それこそ共産主義国の人々よりもずっとのびのびと生きていたのではないか。
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